時は江戸時代の中頃、場所は江戸両国の見せ物小屋。
高松・志度浦が生んだ希代の天才・平賀源内は世界でも珍しい電気発生器エレキテルを完成させたものの、生み出す火花は何の役にも立たず、書生の吉次郎(後の司馬江漢)、弟子の絵師・小野直武(秋田でスカウトしてきた)らとともに、エレキテルショウを始めて稼ぐことにした。
かつて源内の語った夢に導かれて「解体新書 」翻訳の偉業を為し遂げた蘭学者・杉田玄白は馬鹿げた見世物をやめるように説得するが、未だ見果てぬ夢を追う源内の耳には届かない。
そんな見世物小屋に、吉原に売られた娘・お千世が逃げ込んでくる。吉次郎たちの自由奔放な生き様に触れ、やがて自分も夢を見始める。
だか時は江戸時代。庶民が夢見ることを許される時代ではなかった…。