よろこびのうた

  • ものがたり
  • キャスト
  • 期待の言葉
  • 観劇レポート
  • フォトギャラリー

中村時広

中村時広

 このたび、坊っちゃん劇場第13作目となるミュージカル「よろこびのうた」が上演されますことを、心からお喜び申し上げます。
 本作品は、第一次世界大戦期に徳島県鳴門市にあった板東俘虜収容所において、日本人には「第九」として親しまれているベートーヴェン作曲の交響曲第九番が、ドイツ兵俘虜によって、アジアで初めて演奏された史実を基に、俘虜たちと日本人との心温まる交流をえがいたものです。
 これまで、坊っちゃん劇場では、本県をはじめ、四国・瀬戸内にまつわるミュージカルを上演されており、こうした公演を通じ、舞台演劇の普及・振興、更には、地域の歴史・文化の魅力発信に大きく寄与いただいていることに対し、深く敬意と感謝の意を表します。
 御観覧の皆様には、戦時下にありながら、人種や国境をこえた交流が深まっていった背景にある、人類愛や平和への強い思いを感じ取っていただきたいと思います。
 終わりに、本公演の御成功と、坊っちゃん劇場のますますの御発展を祈念申し上げます。

羽原大介

羽原大介

 信頼する演出家・錦織一清さんとタッグを組めることになり、思わず『よろこびのうた』を口ずさんでしまいました。私は音痴ですが。
 100年前のラブストーリーですが決して古くありません。それは私の手腕ではなく、人が人を愛おしく想う気持ちは今も百年前もたいして変わらないからです。恋心だけでなく、夢も希望も故郷を愛する心も基本変わらないものだと思っています。たとえ戦争のさなかに生きていても。
 50代の作家と演出家がお届けする、ド真ん中直球勝負のラブストーリーにご期待ください。錦織さんはちょいちょい変化球も好きですけど。

錦織一清

 この度は坊っちゃん劇場上演作品の演出としてご招待頂き、本当に感無量の気持ちです。別の作品の地方巡業の途中立ち寄らせていただいた劇場は、四方を素晴らしい景色を見渡す広い敷地に佇んでいました。初夏の訪れを待つ晩春の東温で、暖かい劇場スタッフに案内され入ったそこは、開演を待ちわびる修学旅行生達がいるロビー、お土産が沢山並べられた買い物を楽しむ売店、そしてその奥へ進み扉を開けると、グレードの高い劇場空間が広がっていました。ここでお芝居が作れるなんて、私の長い舞台生活の中で想像もできなかったことです。この作品がこの土地の楽しみの一つとなり、坊っちゃん劇場の益々の発展に微力ながらお力になれたら幸いです。

岸田敏志

岸田敏志

 初めて坊っちゃん劇場のミュージカル音楽に関わることになり本当に楽しみにしています。羽原さんの本に心震え、これを錦織さんの演出でどうなるのか…、こんなことを考えるだけでニタニタしてしまいます。日本でも大人気のベートーベンの第九「よろこびのうた」が四国徳島から始まったという事も知りませんでしたが、四国には沢山の魅力が詰まっているんだなと再確認しています。俘虜のドイツさん達の歌う歌がどうして町の人たちに浸透していったのかという事も興味深いですし、戦争という極限の中ではぐくまれた人と人との繋がり、人間愛、そして止められない究極の愛。少しでも音楽で表現出来ればとワクワクしています。