ものがたり

中世の瀬戸内――。日本総鎮守 大山祇(おおやまづみ)神社の大宮司・大祝安用(おおほうりやすもち)の娘、鶴姫。 伊予河野氏の一門である大祝氏は代々神職を務め、戦場に立つことはなかったが、戦さが起きたときは一族の者を陣代(軍務統括役)として派遣していた。

周防の大内氏が瀬戸内の海に侵攻、鶴姫の次兄安房が陣代となって河野氏や来島氏と力を合わせ、大内軍を撤退させるが討死。 16歳の鶴姫がかわってたたかいの先頭に立つこととなった。 海の平和を守る使命を背負う鶴姫は、たたかいによって憎しみが憎しみを生むことに苦しむ。 誰かがこの連鎖を断ち切らねば、と。

鶴姫を心から愛し、鶴姫の本当の願いをわが身を持って遂げようとする若者クロタカ。 女としての鶴姫の葛藤を知り、救おうとする幼なじみの娘カモメ。 3人の思いが瀬戸内の海を駆けめぐるとき、そこに・・・

「いつか平和が」(コーラス)

いつか平和になり 剣のさびる日がきたら

 いつか平和になり 弓の折れる日がきたら

 鎧に花を 花を飾ろう