幕末ガール

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中村時広

中村時広

「坊っちゃん劇場」の第9作目となるミュージカル「道後湯の里」が上演されますことを、心からお喜び申し上げます。
 今回は、明治という激動の時代に、道後の100年先を見据え、道後温泉本館の改築に尽力されました、道後湯之町の初代町長である「伊佐庭如矢」を主人公に、妻射狭との夫婦愛や、如矢の教え子と芸者になった武家の娘との恋愛を絡めながら、強い信念を持って事業に邁進する如矢の姿を描いた作品となっております。
 多くの人々の反対や幾多の困難にも決してあきらめることなく、「道後の発展」をひたすら願う郷土愛や、私利私欲を捨て、その実現に向け果敢に走り続けた如矢の行動力は、必ずや見る人に勇気と希望を与えてくれるものと存じます。
 今年は道後温泉本館改築120年に当たりますが、この記念すべき節目に「道後湯の里」が上演されますことは誠に意義深く、ぜひ多くの皆様方にミュージカルを堪能いただきますとともに、公演を通じて、「道後温泉」が一層にぎわいますよう大いに期待いたしております。
 終わりに、本公演の御成功、並びに「坊っちゃん劇場」のますますの御発展を心からお祈り申し上げます。

野志市長

野志市長

 坊っちゃん劇場9作目となるミュージカル「道後湯の里」が上演されますことを、心からお喜び申し上げます。
 今回は、道後温泉本館改築120周年を記念し、その本館改築を成し遂げた伊佐庭如矢氏を主人公に、妻との深い夫婦愛や道後の人々の本館にかける想いが描かれており、その上演は、多くの方に伊佐庭如矢氏を知っていただく機会となり、松山市の観光、交流の活性化につながるものと期待します。
 伊佐庭如矢氏の「100年たっても誇れるものを造る」という想いは、私たちに貴重な宝を残してくれました。伊佐庭如矢氏がいたから、今の活気にあふれた道後温泉があるのです。本ミュージカルを鑑賞された皆様には、是非、道後温泉にもお越しいただき、本館に込められた人々の願いに思いをはせていただければ幸いです。
 最後に、本公演の御成功と、「坊っちゃん劇場」の今後ますますの御発展を心からお祈りします。

ジェームス三木

ジェームス三木

 演劇が完成する場は、舞台ではなく観客の心の中である。作者も俳優もスタッフも、舞台に花を咲かせようと、あれこれ策略をめぐらし、工夫をこらすのだが、実は舞台から客席に、タネを蒔いているに過ぎない。
観客はひとりひとりが、主体的に想像力を働かせ、舞台に見えないものを、読みとろうとする。きっとこいつが犯人だとか、こいつは嘘をついているとか、ここはこうしたほうがいいとか。
 客席に花が咲いているかどうかは、俳優も敏感に察知する。咲き加減がはかばかしくないと、翌日はセリフの言い回しや、顔の向きを変えたりする。
 観客の呼吸が舞台に伝わる一体感こそが、演劇の醍醐味なのだ。色とりどりの花が満開の客席を見ると、作り手は達成感に胸が震える。客席が冷え込んで、まったく花が咲かないと、七転八倒して隠れたくなる。
 道後の初代町長伊佐庭如矢は、ふるさとに桃源郷をつくる計画を立てた。
資金の調達に苦しみ、町民の反対に遭い、日清戦争に振り回され、百年後の道後に、どんな花が咲いたかは知らないまま世を去った。それでも彼は楽しかったに違いない。